
Kalcha's Papier colle avec le texte
Amabie Over Ride

1965年筒井康隆は一遍のラブロマンスを書いた
『時をかける少女』である
それは今から50年前の1972年に実写映画化され 今も様々な形に翻案されている
2012年ツツイは続編『ビアンカ・オーバースタディ』を書く
しかしその後の続編は書く馬力が無いとのことで
某新人が代わりに『ビアンカ・オーバーステップ』を書いた
ぼくは下記再掲の続編『アマビエ・オーバーシュート』を書いたが
今回 さらなる続編を書こうとゆうことだ
4月のある土曜の午後 理科室にそれは始まった
いま 新たな匂いを嗅ぐことができるだろうか
1989年 天野Kはパラダイムを粉砕するイラストレイターだった
ある日サン・ジョルディとゆう女性と ある場所で知り合う
再掲:
●1 アマビエ・オーバーシュート
彡(・Θ・)ミ アマビエ・オーバーシュート:序章 日
nがwに近づくときのF(w) の極限が♭である
⇔ ∀ε>0 ∃δ>0 ∀x∈R [|x-n|<δ ⇒ |F(w)-♭|<ε]
千原時次郎は生物部でタニシの精子の研究をしていた 異型精子細胞における膜構造の電子顕微鏡的研究 採精室にはビニル本やAVがあった ゆわば瞼の母である 彼の顔においては歯列の図は精神地図を記号化する インネレシュタットの周りのメビウスの輪とクラインの壺のコーヒーカップ カフェラントマンでフロイトが精神内部を踏査してしまった今 デジタル化し官能基をアクチベートしなければならないのは外にある現実世界である
いやそれは50年前の話であり 40年前の話であり 30年前の話であり 20年前の話であり 10年前の話であり 昨年の話であり 昨日の話だろう ハンコックが10年ごとに問題作を出すにしても 何故時間がシャッフルしているのか?
In his face the diagram of dental arch forms a map and symbol. After the Viennese magician's exploration within the psyche, It is now the outer world of reality which must be complete responsabled...
/ JG Ballard, 呂旧+kalcha
ここでぼくが学ぶべきは新しい思考形態である レッスンはない 先生は居ない 本もない なすべき仕事もない 而してナンモ与えられる物はないのだ
架空の空気の試作模型を作るのだ 必要がないくらいに 生活様式がとことんちゃうような人を選び その思考形態を模造記憶するのだ
What I'm here to learn is a new way of thinking. There are no lessons and there are no teachers. There are no books and no work to be done. I'd give almost nothing. So mock up a run of imaginary air. Now mock up some thinking you don't have to do. Select a person, whose way of life is completely Different from yours and mock up his thinking.
Be a Slow down This way That way
Life Death Start Stay in Go Be over there
Be a Slow down This way That way
Life Death Stop Stay here Go Be over there
Be a Slow down This way That way
Life Death Stop
/ William Barrows
彡(・Θ・)ミ アマビエ・オーバーシュート:序章’ 月
<よりも前>とゆう関係は非反射的である
(s)~sEs
千原時次郎は生物部でマウスを使った組織呼吸の研究をしていた おや?タニシの精子の研究ではなかったかとゆうシトは それは「既視感」ではない
"déjà vu"が 片目がもう片方の目よりわずかに早く見た部分的な視覚が記憶されミリ秒後にもう片方の目で見た同じ光景が強い既視感を引き起こすとゆうのであれば 隻眼や聴覚や触覚によっても起こるバワイを説明できない しかし人間の感覚から神経を通ってきた信号が脳内で認識し記憶される段階で 脳内で認識される作業以前に別ルートを通り記憶として直接脳内に記憶として蓄えられ 脳が認識をした段階で既に記憶として存在するとゆう事実を再認識することによりおこる現象だ ともゆわれる でわ逆に"jamais vu"についても同じように考えられるだろうか "jamais vu"とは「既視感」と逆に見慣れたはずのものが未知のものに感じられるものであり「未視感」と呼ぶ
いやそれは50年前の話であり 昨日の話だろう 時かけが数年ごとにリメイクが出ることにより 221は「金を稼ぐ孝行娘」と呼んだ
彡(・Θ・)ミ アマビエ・オーバーシュート:序章” 火
<よりも前>とゆう関係は非反射的である
(s)~sEs
<よりも前>とゆう関係は推移的である
(r)(s)(t)[(rEs&sEt)→rEt]
千原時次郎は創作部でエロSF小説を書いていた おや?マウスを使った組織呼吸の研究ではなかったかとゆうシトは それは「既視感」ではない
高卒後は理系に進むが小ネタの研究への想い捨てがたく しばしば国語の恩師である故多紀先生への質問を繰り返していた 高一の時の担任でもありクラブの顧問でもあったからだ 先生は「あーた理系のくせに何で今頃そんな文系の質問をするの」と苦笑しながらも嬉々としてお答えくださった ディスカッションもした 源氏物語の考察もした 朝顔の段に拘ったのは意味があった 先生本来のご専門である短歌の教えを請うため回文短歌も詠んだ
焦がれども いま手に見やれ 朝顔か さあれ闇にて 舞い戻れ過去
これは自作ではないがこの帖では昔の恋の再燃がサブテーマであり鵲の橋をめぐって返歌が日夜繰り返された 今の世であれば夜のモナカにLINE飛ばしても即レス返ることもあるが 古には文を認められ使者を待たせてその場で返歌を書くなどとゆう素養があったのだ 当時としてはボードであり さながらに気づつなく
***想ひ絶えなむとばかりを板づてならで書くよしもがな
てなもんや
いやそれは 40年前の話であり 昨日の話だろう 「づつない」が「おもしゃない」などとゆうのは意味を取り違えているからである 「おもしゃい」とゆう言葉には2つの意味があるのだ
用例:
「てきゃアタマどこどおもしゃなっちゃぁんのとちゃうけ」
を訳しなさい
彡(・Θ・)ミ アマビエ・オーバーシュート:序章''' 水
<よりも前>とゆう関係は非反射的である
(s)~sEs
<よりも前>とゆう関係は推移的である
(r)(s)(t)[(rEs&sEt)→rEt]
<よりも前>とゆう関係は連結している
(s)(t)(sEt∨s=t∨tEs)
千原時次郎は某大学教室で顎関節の研究をしていた 博士論文のテーマは「(糖鎖に結合活性を示すタンパク質)レクチンの顎関節内における動態」である 大学院の語学試験も通った この時の英語の試験はTOEIC レベル?の5択問題と communication とゆうテーマで小論文を書けとゆうものだった 5択はさっぱりだったが 英語小論文は時間いっぱいネタ含みの持論を facemark に関して展開したのでそれが評価されたのだろう しかし倫理委員会の査定が堅物で博士号はおじゃんになってしまった おや?創作部でエロSF小説を書いていたのではなかったかとゆうシトは それは「既視感」ではない
およそ先生と呼ばれる人間にはろくな奴が居ない しかしハカセは違う 天馬博士やお茶の水博士を見よ 風呂寒博士は人のID番号からFEP白痴化されたものであるが DRストレンジラブが元ネタであることはゆうまでもない もちろんHALを作った茶んどらハカセも同じである フランケンスタインをドナイシタインかとゆうことである
軽茶一成助ハカセの助手はラクタである 1984年にジョンズ・ホプキンス大学のウィリアム・チェンバレンに造られ "AI は地球を巣喰う" ためにプログラムされているポジトロニック・ブレインであり ハカセのランダムアクセスメモリであるところの海馬体から大脳辺縁系に常駐して 総括の他 歌舞伎狂言回し役を勤めている
ところで隣の教室の某先生にもシトリの助手がいた それがF(w)であった wは試験管やフラスコとかの実験器具が欲しいとねだったので ハカセはそれを出汁に研究室に呼び出したことがある しかしラベンダーどころか 栗の花もなかった 未遂ではあるがそもそもwとはICQで
いやそれは 30年前の話であり 昨日の話だろう ICQは今もあるが昔のようなインタフェイスではない 名前を失念したがVRを使ったソフトもあった 彼はグロトリの盗班で世界を股にかけ オレゴンの牧場の娘やロシヤのナボコフィアン娘やスエーデンのゴスロリ娘やドイツのパンク娘などを毎夜拐かしていたのである
彡(・Θ・)ミ アマビエ・オーバーシュート:序章'''' 木
<よりも前>とゆう関係は非反射的である
(s)~sEs
<よりも前>とゆう関係は推移的である
(r)(s)(t)[(rEs&sEt)→rEt]
<よりも前>とゆう関係は連結している
(s)(t)(sEt∨s=t∨tEs)
<よりも前>とゆう関係は最初の段階が存在する
(∃s)(t)(t≠s→sEt)
千原時次郎はY2K問題を研究していた おや?某大学教室で顎関節の研究をしていたのではなかったかとゆうシトは それは「既視感」ではない
Y2Kとは 行く年 TO 来る年 である
ちゃうわ 「ニューロマンサー」から「モナリザオーバードライブ」のスプロールシリーズは80年代 「あいどる」などの橋シリーズは90年代 もちろんミレニアム以降には「パターンレコグニション」のような新たな三部作作品があるがこれは読んでない
「ブレラン」はPKDの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」の原作が1968年 映画化は1982年 設定は2019年(当初は2020年)の話である 2049は2017
「マトリックス」は1999年 ここに登場した「一匹の黒い猫が細かく身震いをしてから尻尾を立てて右から左へと通り過ぎていく」シーンはデジャブである これはマトリックスと呼ばれる仮想世界の側に生じるエラーやバグと解釈された マトリックスの記述はニューロマンサーに既にある
「アバロン」は2001年
実際に多種多様な糖鎖の中から目的の糖鎖がレクチン受容体によって認識されシグナルとして伝達される仕組みについてはまだわかっていない 時次郎の研究が中断されたからだ
これでは実験器具が使えないとわかった時次郎に1つのアイデアがひらめいた
いやそれは 20年前の話であり 昨日の話だろう 2049は2017年に書かれた また前作から30年を経た話だがリドリースコットはもう飽きていたのだ 一方で
彡(・Θ・)ミ アマビエ・オーバーシュート:序章''''' 金
<よりも前>とゆう関係は非反射的である
(s)~sEs
<よりも前>とゆう関係は推移的である
(r)(s)(t)[(rEs&sEt)→rEt]
<よりも前>とゆう関係は連結している
(s)(t)(sEt∨s=t∨tEs)
<よりも前>とゆう関係は最初の段階が存在する
(∃s)(t)(t≠s→sEt)
<よりも前>とゆう関係はどのような段階の直後にも別の段階が存在する
(s)(∃t)[sEt&(r)(rEt→(rEs∨r=s))]
千原時次郎はミレニアム以降テキストアートの研究を再開した 還暦してリンポチェさまに出会った 二度渡印した おや?Y2K問題を研究していたのではなかったかとゆうシトは それは「既視感」ではない
ダラムサラに渡印してまで シーギリヤロックに登ってまで タンジールのホテルを訪ねてまで シュテファン寺院の鐘を聴きに維納入りしてまで 究めようとしたテキストアートの真理とは何だったのか それは「空白」つまりスペース そして意志のコントロールキーであった その意志と表象は彼の知性である でわその知性の究極の理由は何なのか
それは存在しない
1+1=2 または10(二進法のばわい)とゆうのは事象の本質やイデアに基づくもので 事象の本質は数みたいなものである これに理由を与えることはできない 代数学と記号はもともと別のものだったが デカルトが卓袱台にそれを並べ ライプニッツがそれをひっくり返したとゆうことなのだ それがモナドである
いやそれは 10年前の話であり 昨年の話であり 昨日の話だろう やはり 時間がシャッフルしているのか?
『ウィークエンドデカダンスシャッフル』
焦がれども いま手に見やれ 甘酒さ 間あれ闇にて 舞い戻れ過去
時次郎は30年前ではなく20年前の研究室に飛んだ そこにF(w)が居たのだ
「すまないがその試験管を返してくれないか」
コココココ
♭♭♭♭♭゛
♭♭♭♭ ト
さらに10年ごとのタイムリープを繰り返し50年を遡る そこは
あの懐かしい理科第二分野の実験室だった
5人の中学生が実験をしていたあの部屋だ
彼は月盃を取りだし試験管から件の甘酒を注ぎ恒温器に入れる
Novalis
●2 アマビエ・オーバーライド
1
借り物の七晩を過ごしたこの棺桶ニュー・ローズ・ホテル いまどれほどきみがほしいか
ときどききみはぼくをなじる ゆっくりと残酷に再生してみればもう少しで肌に感じられる きみの拳銃をカバンから撮りだし すべすべで安っぽいクロムめっきを親指で擦る 中国製の22口径 その銃口は 消え去ったきみの開いた瞳孔ほどもない
今夜このホテルで きみの過去から一枚のカードを引き抜く 長いあいだあの新宿の夜の中で きみは出口を探し続けていたに違いない きみの過去とゆうまき散らされた一組のカードから 注意深く引き抜いた夜のなかで
あれはANAのターミナルだった
ここはJALのターミナルだ
そしてきみのチケットはここではないようだ
2
モイラが最初に並べたカードは三枚
つまり 過去・現在・未来 である
過去のカードは IX The Hermit
未来のカードは VIII Strength (逆位)
そして問題の 現在のカードは最悪の XVI Tower だった
もちろんチェンジは出来る
そこで引き直したカードは
XXI The World と 0 The Fool (どちらも正位置)
よりによってこんな組み合わせが出るとは思わなかった
3
少し進展があったので 今回引いたカードについて分析して続ける
まず過去のカードの
隠者(英: The Hermit 仏: L'Ermite)は9番
Another Little Prince にも一つだけ入っているのは偶然だったのだろうか それなりに示唆はある
正位置の意味:
経験則、高尚な助言、秘匿、精神、慎重、優等感、思慮深い、思いやり、単独行動、神出鬼没、変幻自在、難解
寓画の解釈:
老人の持つ杖と衣装(特にフードの部分が道化師を連想させる)が「愚者」と関連すると考えられ、「愚者」が当ての無い放浪者を象徴するのに対し、このカードに描かれる老人は「元・放浪者」と解釈される。ウェイト版とマルセイユ版の両版ともカードの構図が左側(象徴学的に内面・理性・過去等)を特に強調していること、ならびに描かれる人物が一人であることなどから、自身の内面における過去との対話、さらに「復習」や「自習」など学問的分野、「反省」や「孤独」など心理的分野の両面からカードの解釈がなされるのが一般的となっている。旅を終えた先輩として、未だ旅を続ける後輩の「放浪者」達に手に持っている灯りで「先人・賢人の導き」を与えている。
ウェイト版とマルセイユ版を見比べて分かるように、22枚の大アルカナの中でウェイトが(魔術師などのように)大きく構図を変更しなかったうちの1枚である。主な変更点を挙げるとすれば、奇妙なカンテラをかざす人物がフードをかぶった仙人のような姿で雲の上(のような場所)に立っている点と、あとは全体の配色程度である。この変更は錬金術の開祖・ヘルメストート(ヘルメス・トリスメギストス)がモチーフとされるためである。
占星術との対応:
星座:金牛宮(牡牛座)説、獅子宮説、処女宮説、人馬宮説、宝瓶宮説
惑星:木星説、土星説、海王星説
次に未来のカードは8番の
力(: Strength 仏: La Force)だが これも特殊なカードで
マルセイユ版とウェイト版では番号が違う 11と8である この入れ替えの件については「宿命の交わるX・アライヤンナイト」で触れた
逆位置の意味:
甘え、引っ込み思案、無気力、人任せ、優柔不断、権勢を振るう、卑下
占星術との関係:
星座:白羊宮説、獅子宮説、「獅子宮+処女宮」説、宝瓶宮説
惑星:太陽説、金星説、火星説、海王星説
寓意画の解釈:
全体の構図としては、女性がライオンの口を押さえ(ロマンス語諸語で、「力」は女性名詞である)、女性の頭上には1番の「魔術師」と同じく「∞」のマーク(マルセイユ版では「∞」を象った帽子)が描かれている等、マルセイユ版もウェイト版も大きな違いは無い。
マルセイユ版の数列では1~9までの精神世界の領域が10番の「運命の輪」によって一度区切られ、11~20の現実世界の領域に入ったことを表している。故に1と11にそれぞれ始まりにして未知の可能性を暗示する∞が一つずつ、21番の「世界」にはその2つの世界の統合を表すように2つの∞が描かれている。
カードに描かれる人物は「人間の女性」である。特にマルセイユ版に描かれる女性は、玉座に鎮座する女神や神的イメージでないことが、女性の服装が中世ヨーロッパの一般的な庶民の衣服であることに示されている。しかし、この女性がただ者でないことは頭部の帽子(∞)に表されている。同様の帽子をかぶる「魔術師(奇術師)」が、両手にコインやステッキを持っているのに対し、この女性は素手である。つまり「魔術師」が備えていた奇跡的な“力”は、「力」ではステッキ等の道具を用いるのではなくこの女性の「手」に備えられていることを表し、「魔術師」のそれに比べ、より人間的、直接的であることを示している。
また、カードに描かれるライオンは「本能」(特に人間の動物的本能)と結びつけて解釈される。「愚者」のカードにも犬が登場したが、この「力」ではより凶暴なライオンとして登場し無視できない存在として描かれている。このことは象徴学的に、精神における人間的な本性が自身の動物的な本性と直面することが出来るようになったことを示し、同時に心理学的に、無意識として手なずけられない状態にある力を自我意識が直接取り扱うことは出来ず、二つの側面を関係づけるのは女性による仲介が必要であることを表している。
ちなみに女性がライオンの“口”に手を向けていることに関しては、様々な説があり統一が成されていない。口を開けようとしている、閉じようとしている、或いはその両方であり見る者の状況に応じてどちらとも採れるように描かれている、単純にライオンの肝(或いは“何か”)を取り出しエリクサーの材料にしようとしている等、多岐にわたる。
そこで問題の現在のカードは 16番
塔(英語: The Tower フランス語: La Maison Dieu)
このカードは正位置でも逆位置でも「大凶」とゆう唯一の「破綻」カードである 引けば即ゲームオーバーとのルールもあったが ま それはあんまりでしょうとチェンジを認めた
占星術との対応関係:
星座:白羊宮説、金牛宮(牡牛座)説、天蠍宮説、磨羯宮(山羊座)説
惑星:火星説、木星説、天王星説、「天王星+火星」説
寓画の解釈:
伝統的な解釈ではバベルの塔ではなく「神の家」とされる。神の家とはキリスト教の教会を指した俗称であり、病院をさす場合もある。この天から降りて「塔」に激突しているものは、雷光を一般的に表現する際にありがちなギザギザ状ではなく、どちらかといえば炎のように丸みを帯びた描かれ方をしている。これは、雷でも炎でも無く「神から放出される聖なる力」そのものを表している。即ち、二人の人物が、自らの作り出した強固な自意識の殻に閉じこもっていた状態から、何らかの外的要因によって開放された状態へと移り行く場面を描き表した様子と解釈される。つまり、「神から放出される聖なる力」を、“神の怒り”ではなく“神の慈悲”による救済であると解釈し、人間的な宗教組織、即ち「塔」に囚われる人々を神が解放し、「塔」の頂に王冠、即ち絶対とする権力(神)は存在せず、「塔」の外に広がる広大な平野の果て、更には背景に描かれる球体、即ち世界・地球・宇宙に至るそのもっと上に存在していることを象徴している、と解釈される。
「神の家」ではなくバベルの塔の崩壊とみる説では、もっとわかりやすい解釈がなされる。マルセイユ版の「塔」には、炎のような物体が建物の屋根部分を吹き飛ばし、二人の人物が、一人は逆さまに、もう一人は上半身が建物から出ている状態で描かれている。古代メソポタミアにおける塔という建造物は、天と地をつなぎ、神々が地上に降り立つ道筋を提供する宗教的な目的で扱われていた。また軍事的な防衛・観察・牢獄・退却に使用する要塞として扱われ、現在においても政治・経済・教育・文化などの様々なプロパガンダは塔を媒体として行われている。しかし、この「塔」に描かれる建造物は人間と対比してわかるようにとても小さく、およそ天まで達し、神との交信を図るような存在とは思えない。また、人物の一人が建物から出てきているように見えることから、この建物は二人の人物の私有物であり、彼らが作ったものと解釈される。彼らは建物に王冠を模した屋根を取り付けていたと見られ、自分達の作り出したものを絶対無二の存在とし、他のいかなる存在も認めていなかったことを象徴している。「塔」では、まさに今、建物の王冠が取り払われた様子が書き出されている。王冠を吹き飛ばす奇妙な物体は稲妻とされている。稲妻は古来より「神から放出される聖なる力」の象徴として、しばしば“神の怒り”などと表現される。
ウェイト版では、黒い背景の中で落雷を受けて破壊、炎上した塔から中にいた2人が投げ出されている様子が描かれる。ただしこの札の場合、「旧約聖書」には、石の代わりにレンガを、漆喰の代わりにアスファルトを使用したと記されただけで、この塔がバベルの塔をモデルにしたかどうか、詳しいことは分かっていない。塔の破壊された部分と三つの窓からは炎が上がっており、マルセイユ版の炎上する塔を踏襲している節が見受けられる。炎には「清め」という象徴があり、神を奉る場所や神に関する儀式の際には多く火を焚く場所が設置されていて、仏教においては、火は知恵や真理の象徴とされ、煩悩を焼き尽くすとされている。塔の上にある王冠は「成功」を意味し、塔はそれが自分を束縛するという状況を象徴している。この王冠の色と同じく、稲妻の色が太陽の恵みを表す黄色とされているのも特徴で、破壊されることが幸いであるかのように描かれている。太陽の恵みを与えるにあたり、これのみならず、全ての大アルカナカードには必ず黄色に塗られている箇所がある点が大きな特徴となっている。
・・・
過去のカードの9番「隠者」はそのとおり
未来のカードの8番「力」にはある意味二つの道があるのかも知れない
とゆうのは 上述のように0から9までの前半と11から21までの後半を区切る10番である「運命の輪」を挟んで この両側を引いたともゆえる ここでの「力」のカードは8番だが11番とゆうバージョンもあるからだ
(別バージョンで相当するのは「正義」のカードで剣と天秤を持つ裁判の女神である)
そして
現在のカードで「塔」を引いてしまったため リロードで一連の最後のカードである21番の「世界」とこれも一連の最初のカードである0番の「愚者」を引き直したことは 象徴的な謎があるとゆえよう
エルの物語でも触れたように ラケシス(過去)クロートー(現在)アトロポス(未来)に聞くまでも無く くじ引きは本来決まっていることである 問題は善悪の解釈だ


『25時』
「大陸の果ての空に 銀河の光 薄れて
tide licks to the sheltering sky whiter shade of pale
ゆらゆらと 麝香色の 夜明けが訪れる
your light jack into blue in green before dawn
突然のつむじ風が 記憶の波をかすめて
dots of sudden whirlwind haze the memories down
遠い日も そして今日も 忘れてしまえたら
Taurus the day so that today never lose in fail
ああ 愛のしじま 時を失くした 世界にひとり
oh my. I see the man loosing time left alone with damage
ああ まだ私は 幻 さまよう あなたの巡礼
oh my. I still be the phantom of your pilgrimage
モザイクの壁画の中 このまま埋もれたなら
if mosaic ascii mural burry me in the cage
いつの日かまたあなたが 通り過ぎるかしら
it’s someday prince will pass thru
紫の地平線に 神々の声がひびく
moored somebody hears the revelation blew
�”倖せを粗末にした 報いが来たのだ”� と
she was said “Crime and Punishment”
過ぎた日に 帰れる馬車 さがしつづける哀しみ
surely there ain’t no carriage return. sad
不思議だわ 泣いてるのよ 少女の日々のように
who is wondering like a little girl crying
ああ 愛のしじま 時を失くした 世界にひとり
oh my, I see the man taking time twenty-four hit me
ああ まだ私は 幻 さまよう あなたの巡礼
oh my, I still be the marble some anointed free
朝焼けの廃墟に立ち やせた影 歩ませれば
as standing in the ruins of the sunrise
when I rest the thin shadow
さらさらと この身体が くずれてしまいそう」
surrounding I feel my body gone with the window
but live my soul

●3 ニューロマンサー再び
1
港の空の色は 空きチャンネルに合わせたTVの色だった
「ジョージ・ノザワは死んだよ サンディ」
ノザワはサイバーマフィア集団バーベリアンのボスだった この頃はマフィアもサイバー化していてハッカーたちに下請けをさせている 天野Kはもともと一匹狼の天才ハッカーだったが 後にノザワの懐刀と呼ばれるように 彼に見いだされてその才能を開花させたのである 最初はノザワとKの二人きりだった ゆわば八尾の朝吉と清次のコンビのようなものだ
ノザワは後に大親分となったが ある日彼はKにこう言った
「あの女のことは忘れろ」
2
少し長い歴史があるので タイムラインを遡る
マフィア組織のカマクラ組にはいくつかの支部があった そのうちのひとつにノザワが居た Kも一応そこに属してはいたが別の革新グループにもいたので むしろ全体の組織内では一匹狼的な立ち位置であった ただその天才的才能は徐々に組織に認められていて ヘッドハンティングされたとゆうことだ それを決めたのがノザワである
支部のボス川口は嫌な奴だった それで ノザワはまずそいつに取って代わろうとしていた それをどうするか Kはノザワにその相談を持ちかけられていたのである とりあえずはブレーンを増やしましょうと Kは進言した 計画は少しづつ進み いよいよ旗揚げの直前になって Kは重大なミスを犯した
よりによって相手の幹部であるマキノに計画ファイルを誤送信してしまったのである ノザワにはこっぴどく叱られたが 向こうも驚いた ところがこれが意外な結果を生む マキノはこの激文に賛同してこちらの陣営に寝返ったのだ 結果ノザワは勝利して マキノは副ボスとなる
これには実は伏線があった マキノは以前からKをかわいがっていたのだ しかし彼がノザワの腹心であることを知って急によそよそしくなっていた 支部のボスの手前もあったのだろう そこでKは直接マキノの自宅に乗り込み自分の胸の内を語った もちろんそれは認められはしなかったが 何かを残していた
相手が誰であろうとその懐に飛び込んでいくとゆうやり方はKの得意技でもある ノザワのブレーンもほぼKが作ったようなものだ そのほとんどはノザワのイエスマンになったがKだけは違っていた だからKは一番信頼されてもいたのだ
3
かくしてノザワは支部のボスになった 支部には表向きのナンバー2もできたが ノザワは部下を心底信用することがなかったので Kが事実上の腹心で最強のナンバー2であることにかわりはなかった
一方で組織の本部には大ボスのTがいた ノザワはこの大ボスにかわいがられていたこともあり 叔父貴と呼んでいた あるときKがその大ボスに面と向かって逆らうとゆう事件が起こった
そもそもノザワはその大ボスの下で組織のパーティを仕切るとゆう役目を担っていた そしてKもその仕事を手伝っていたのだが 大ボスはそれを良く思っていなかった そのためか とあるパーティーの席上で大ボスがあまりにKをからかうのでブチ切れたのである
慌てた幹部連中が止めに入ってその場は治まったが のちのち色んな軋轢は残った 幹部の中にはKを弁護した者もいた中で 大ボスのT自身が亡くなってしまう そしてノザワが次の大ボスを継ぐことになった
とうとう組織のヘッドに登り詰めたノザワは Kを本部の幹部に昇格させようと持ちかけてきた しかし 6年間に亘りノザワに仕えてきたKは とある事情でそれを断ったのである 3年後にもまたオファーがあったが 再び断った
そして三顧の礼はなかった
組織の大略はそうゆうことだが ノザワとKの絆は深いものがあって 実はもう一つ重要なことがあった
4
思い出すのは 薄暗いラウンジの中 しとね張りのバーにもたれたノザワ 場所は香港の飲み屋街 柳通りのニューローズホテル 彼の描き出すのは 様々な内部抗争 ある人物の経歴の蛇状曲線 どこかのデパートの装甲の中に見つけたある弱点だ
いまでも目に見えるようだ ノザワがにやりと笑い 能弁にまくし立て Kの冒険の数々を首の一振りで軽く一蹴するのが
それがICEだ と彼は言う
ICE(Intrusion Countermeasure Electronics:侵入対抗電子機器)
つまり攻性防壁である Kは電子的組織間抗争の中でエッジを磨いた サイバースペース・カウボーイ 最高のコンピュータ・デッキを媒介して広大なネットにジャックイン しかし失敗すれば接続した者の神経を焼くICEを開発していた そのときはまだ未知数のものであった
後に彼はその中で一番やっかいな Black ICE に逆に捕まってしまい 彼の脳は焼かれはしなかったのだが 今度は自分自身でそれを破る方法を探すことになる
5
Black ICE の攻性防壁の中でKはあるイメージを見た 女の顔であった それが誰なのかはわからなかった
7月の末のある日 組織の総会が終わったあとのパーティ 香港の柳通りにあるニューローズホテルのカジノ「神泉苑」にその女が居た サンディこと サン・ジョルディはテーブルでカードゲームに打ち興じている幹部たちの中に座っていた Kははっとする あの時のイメージだ 確かにこちらを見ていた そしてKも
サンディは令嬢のような気品を備えていて その場に相応しくなかった 夏の離宮で見かけた絵の中のマリー・アントワネットの面影にあまりにも似通っていた
彼女はその場に立ち止まったKを見つけて 視線が合った 結び目が凝結した その結び目がほどけたのは8月に入った二回目のパーティーのあとだった Kは組織のデータベースに侵入して記録を探ると ついにその日を見つけた
1989年8月12日 星月夜





●4 カウントゼロ再び
1
仕方ないな
ディスタンスコールを落としてKはそう思った
彼はホテルの外に出て喫煙エリヤに向かう タバコに火をつけたとき寺院の鐘が聞こえた 真夜中になっていた 日づけが変わったはずだった いや何かが違った
あのとき ニューローズホテルの前でシケモクをあさっていた女はいなかった
思い出せ ばるぼら
Kはつぶやいた しかし何も起こらなかった
待つだけだけは待ってみようと 彼はグランドに向かう 幹部と麻雀をする約束があったが それをだしにしてサンディを連れ出すつもりだったのだ
約束?
それがなんだったのか それすら思い出せなくなりそうだった 真夜中の鐘の音から1時間の間 25時にインネレシュタットの時空はねじれ 開き そしてつながるはずなのに
2
「神泉苑」とは平安京大内裏に接して造営された禁苑の名前である 義経と静御前が出会った場所だ また雨乞いの道場としても知られ 天長元年(824年)に西寺の守敏と東寺の空海が祈雨の法を競った 雨乞いとゆえば遡って厩戸皇子の話も出てくるが ここは香港のカジノである Kが行っていたのは雨乞いではない またカードでも賽子でもななかった 映画「ミッドナイトインパリ」のローリング20においても ゴッホは既に死んでいる でわ なぜそれが『星月夜』であったのか ゴッホは絵を ウディ・アレンは映画を撮ることによって自身の精神を慰め そしてKも 誰にも吐き出すことのできない感情を表し 外界との独自のつながりを編み出していたのかもしれないとゆうことだ
3
Wahrheit は女性名詞だ なので西洋哲学ではそれを女として語るのは古くからの伝統だ ニーチェも女性嫌いではあるが 伝統的な哲学者の間抜けぶりをからかう意味で譬えている 哲学者のドグマでは女を理解できないのではないかとゆうことだ そもそも独断論などとゆうものが既に失敗に終わっている それは多くの占星術が超自然的に利用され 費やしてきたことなのだ プラトンの誤謬が克服された今となっては
覚醒を課題としなければならない
読みかけていた本を置いて Kはまたジャックインする

●5 モナリザオーバードライブ再び
1
ニューロマンサーは1986年 カウントゼロは1987年 そしてスプロール三部作の最後のこの作品が邦訳されたのは1989年である
あれから何年の月日が経ったのか
Kは柳通りの馴染みの店を出て 向かい側にあるビルを見上げていた それはカジノのあったビルでは無い 馴染みのこの店が出来たのが1990年だから といっても7年近くは経っているのではないかと思う この作品が二作目のカウントゼロから7年後の世界だからだ
「あら お久しぶりね」
声を掛けてきたのはカジノの隣にあったバーのママだった しかしその名前を思い出せない 戸惑っていると 彼女はこう言った
「あの店はもう無いのよ いまはこの前のビルに移転したから 名前も変わっていまは ”l'orsange” よ」
「ロルサンジュだって? つまりそれは・・・」
「黄金=or 血=sang 天使=ange これらを繋ぎ合わせて定冠詞 le をつけると l'orsange になるの フランス語は音のひびきを大事にするから 母音は省略して次の語とくっついたりする losange だと このプラザビルの名前ね 面白いでしょ それと貴方の聞きたいことはわかってるわ サンディはもういないの」
Kはそれに応えかけた言葉を飲み込んだ
「たぶん貴方が知らないかもしれないことがひとつある サンディはあたしの妹なのよ」
2
ギブスンは三部作の構想を進める上で ウェィドデイヴィスの『蛇と虹』を参考にしたとゆわれる サイバーパンクとは馴染まないようなゾンビ伝説だが これはヴードゥのことなので ばるぼらを絡めることもできるだろう 虹蛇ならもちろんアポリジニ伝説にもある タイトルもロバート・ロンゴの『サムライオーバードライブ』からで スラングとして性的な意味がある モナの暴走とも読める
3
「ママに妹さんがいたのは昨日知りましたが それがサンディとゆうのは嘘じゃないですか 確かにロルサンジュとゆえばジュリエット つまりソフィことジュスティーヌの姉ですが あなたはむしろムネモシュネか オイディプスの姉のスピンクスでしょう そしてぼくに 4-2-3 のフィロソフィアをかけた」
「さすがね フィロソフィアはフィロス+ソフィアのこと でも あたしには三つの顔があるの ダダかとかゆわないでね そのひとつは Metaphysicist 普遍的原初的なピュシス<それ>はディオニュソスとゆう名でもあり 最も深いところで格闘しながらエネルギーに回帰する 普遍的な<それ>は間接的な形 表面的な形を通してしか人の目には見えないわ 貴方ならアポロン的とゆうでしょう オイディプスのような古典的な悲劇はアポロン的な様式の元ではディオニュソス的な<それ> つまり芸術ね 芸術を持つことは<それ>で台無しにならないようにするため でなければ<それ>には善も悪もなく世界は狂気と逸脱の陶酔でしかなくなるわ でも幸いなことに貴方には・・・
ふたつめは 今のとは対極の Idol destruction 偶像破壊ね 偶像はあいどる 貴方はいづれ自分の作ったホログラムソフト「あいどる」と結婚するの でも精神性や文明を気取ったところで 偶像と信仰の根本にはある種の下等な本能 特に恐怖の感情 形而上学は現実の多様性に向き合うことを恐れて偽りの<それ>に逃避する弱虫よ 芸術でさえ生の否定なら 美化することで本質と向き合おうとしない 逃げ とゆうこと
みっつめは Prophet 永劫回帰なんて簡単には説明できないわ いま この瞬間が そうしてほしいいと思うほどの いま このときを 強く生き 欲することができるかしら
今ここ
それが永遠に繰り返されても良いくらい その瞬間を愛しているとゆえる?」
ぴかぴか輝く革のブーツ
暗闇で鞭を打ち鳴らす娘
鐘の音とともにお出ましだ
おまえの召使いを許すんじゃない
殴っておやり女王様 そして奴の心を癒しておやり
抜け目のない街燈の罪にその日の気分で
何を着ようか彼女は選ぶ
イタチの毛皮が傲慢そうに装う
王様が王様がそこでおまえを待っている
I am tired, I am weary
I could sleep for "next three years"
A thousand dreams that would awake me
Different colors made of tears
ぴかぴかの革のブーツにキスをする
暗闇で輝く革
革ヒモをなめろ ムチ打つベルトを待っている
殴っておやり女王様 そして彼の心を癒しておやり
王様 王様 繊細に話す
王様 ひざまずくんだ
決して優しくはない鞭を味わってごらん
ぴかぴか輝く革のブーツ
暗闇で鞭を打ち鳴らす娘
王様 召使いが鐘を鳴らしながらやってくる
彼を絶対許さないで
殴っておやり女王様 そして彼の心を許しておやり
Velvet Underground "Venus in Fur"


●6 ディファレンスエンジン再び
1
酸性雨がしとどに路面を濡らす柳通りの一角でKは最後のタバコに火を点けながら考えていた 少なくとも二つの分岐はあった ディファレンスエンジン サイバーパンクとスチームパンク どちらへ行く
Y字路とゆうのはどうもはっきりしていなくて その先が広がっているのかまた先で繋がっているのか ようわからんのだ T字路のばわいは右へ行くか左へ行くかははっきりしている つまり180度方向が違うから何かあってもあきらめがつく つまりそうゆう反対の選択をした割り切りとゆうものである
言い訳がしたくなるのは
2
まだ多くの冒険に誘うに違いない<それ>への意志 全ての哲学がこれまで畏敬の念を持って語ってきたこの有名な<誠実さへの願い> この意志は何とゆう問いを投げかけてきたのだろうか それは驚くほどに悲しき奇妙な問いだろうか この問いについては長い歴史があるのに それでもまだこの問いは始まってもいないかのようではないか そしてついにこの問いに不信の念を抱き 忍耐心を失い ガマンできなくなって背を向けるようになったとしても 驚くべきことだろうか スピンクスから自分なりの問いを問うことを学んだとしても驚くべきことだろうか そもそもこの問いを問うたのは誰なのか
3
Kは二度までノザワの誘いを断った 組織を抜けたわけではないが ある意味フリーになって清々したかも知れない ノザワのこの言葉が気に入らなかっただけである
あれはエクトプラズムだ 極限が呼び出したゴースト 全世界のハイアット 全世界のウェスティンの無数のベッドの上で凝結した新世紀のゴーストだ
言い訳はしない 言い訳はしないとゆいながら Kは空になった煙草の箱のなかをいたづらに弄っていた
以下次回
サプリメンタル 1
YMO : TECHNODON ”FLOATING AWAY” はNYCでの録音にウィリアム・ギブソンの朗読が収録された
The edge of a typhoon threw rain horizontally against the glass
A sizzle of lukewarm bullets
The city was very still
Lights were flashing, the air was very new
I entered a tunnel and found myself in a narrow world
Narrow puddles of water reflecting fluorescent light
It was very curious
Like discovering a secret level of society
It was an experiment in psychogeography
Psychogeography
Broken shackle
You could look down
See the water between your toes
Bare concrete,empty bottles wraped in plastic
A moped against a vending machine
Startlingly organic
Broken shackle
More private fantasy, more complex
Psychogeography
Startlingly organic
Broken shackle
More private fantasy, more complex
Psychogeography
Startlingly organic
Broken shackle
More private fantasy, more fantasy
Psychogeography
また このアルバムの 『Pocketful of Rainbows~ポケットが虹でいっぱい』 は プレスリーの原曲を 湯川れい子が邦訳したもの
涙が 今はこぼれるけど
ポケットにいっぱい 虹をつめて
逢いたくても いつも逢えないから
ポケットにいっぱい キスをつめて
もういちど強く 抱きしめて
くちびるに熱く 感じていたい
愛・愛・愛・愛
この恋 いつか叶うときまで
ポケットにいっぱい 君をつめて
たとえば雨が 降るように
悲しみがいつも 二人を責めても
愛・愛・愛・愛
ミスター・ハートエイク
変わらない この愛
Got a pocketful of Rainbows
虹をつめて
Rainbow...





●7 ヴァーチャルライト再び
1
モナリザが暴走したのだとすれば それはランサムウェアがバックドアアタックしたからである いまKにできることはプログラムを書き換えることしかなかった
新たに入手したμシールをバージョンアップしてダウンロードしたファイルに貼り付ける とゆう作業を遠隔走査で毎日繰り返している 手応えがある日もあればない日もある
テレイグジスタンスやテレイマージョンなどの空間共有を用いてVR追跡は出来てもそれは確実とはゆえない
ここからの三部作「橋」のシリーズは ダークでコミカルな都市探偵物語である
2
中国にはバーチャルとゆう概念がもともと無かった なのでそれを表す適切な漢字がなく 「虚」は宜しくない とゆうことで新たに作られた文字があるが ここに表示できるものではない 「りっしんべんに實」と表記する
Pour en finir avec le jugement de dieu
ローリング20の詩人 アントナン・アルトーはバーチャル・リアリティとゆう造語を生み出した人物である 「アンチ・オイディプス」(1972)
Corps sans organes
「人は病んでいる。できそこないだからだ。奴を一度裸にして奴をむしばむこの微生物をこそぎおとせ。そして神よ、役立たずの器官というものをなくしてほしい。そうすれば人は自由になれる。そしてダンスホールで踊りまくるように踊りをもう一度教えてほしい。そこが彼の場所だ。」
3
フリスコの<橋>は破壊され トマソンとなった
ゴジラがやったのではない ザラブでもメフィラスでもない
ゼットンを送り込んできたのは なんとゾフィーだった
その理由は
ぼくはすっかり服を脱いでしまっていた ここは辺鄙な海岸で訪れる人も少なかったからだ 遠くに見えるコマツ岬から波打ち際が円弧を描いて続いているのだが この構図は そう 初めて見たのは1968年つまりぼくが15歳の時だった 東京国際版画ビエンナーレ おそらく画家である母の所蔵する美術手帳かみづゑで見かけたのだろう 岬に続く小高い山の頂には奇怪なオブジェがあったがあれはなんだったのか さらに何年も経ってからぼくがそこにこうもり傘を画いたのはミシンを得たからである 小さな極大であった ♭
1989年のガウディの城へは行けなかったのだ それは禍根を残したが取り返すことができたのはゆうに24年の歳月が流れてからであった
ぼくが年に数度は訪れる都会の喧噪の中で季節の上に死滅する人びとから遠く離れてこの身をしばし委ねていた時 その再会があった
「橋」
ぼくは海の世界と陸の世界とを別つ二つの境界線のことを考えていた 一方ははっきりしていて 陸地が泡の総縁の下に飲み込まれて消えてしまう線 もう一方は 遥かに容易に見分けがたく海から生じた塩が陸地に染みこんで植物の自生が妨げられている線 ぼくはその一つの世界と他の世界の中間であり双方の性質を帯びている場所に居た そこがその場になるとゆう予感はまったくなかったのだが 様々な歯車が勝手に動いてたまたま全てがゼロの位置に同時に集まったとゆうことだ
以下次回



●8 あいどる再び
1
時間の矢はどちらにも向いている Broken shackle
ここでまた Kが学ぶべきは新しい思考形態である レッスンはない 先生は居ない 本もない なすべき仕事もない 而してなにも与えられる物はない 架空の空気の試作模型を作る 必要がないくらいに 生活様式がとことんちゃうような人を選び その思考形態を模造記憶する
What I'm here to learn is a new way of thinking. There are no lessons and there are no teachers. There are no books and no work to be done. I'd give almost nothing. So mock up a run of imaginary air. Now mock up some thinking you don't have to do. Select a person, whose way of life is completely Different from yours and mock up his thinking. -William Barrows
2
ロルサンジュのママの姿は消え あとにはラヴェンダーの香りだけが残った
I Tre Merli e Due Lingue di Allodola
3
ときどき原宿での君を思い出す 土曜日の午後
Kが結婚したのは あいどるホログラムではない 現実だ
フリスコのバートとは Bay Area Rapid Transit のことだ
Kは丹念に作り上げたプログラムボックスを持って SFO からバートに乗り込み バークレーに向かうつもりだった しかしベイの海底トンネルを向けると そこはまったく違う場所だった
街はまた酸性雨が降っていた Kは拉致されたのである 新たに指示された場所は 304 S Broadway, LAにある Bradbury Building
近くには Westin Bonaventure Hotel がある
そしてその前にあるのが YEBISU GARDEN PLACE だったとゆうなら
それはサンディが時空を越えて冒険者であった証でもある
以下 分岐



●9 フューチャーマチック再び
分岐1 2岐分
123456789 987654321
━T0━━T1━ K+M
┃
Tx━━T2━ K+M’
┃
Ty━━T3━ K+M+M’+M”
棺桶の中で目をつむると あそこでの君を思い出す
オープンテラスに どこにもない衣装
ほどけた靴の紐 繋がりを探す糸
RN.1018 君はドレスを脱ぐ
都会のベルが 今 鳴り終わる
ベッドへ急ぐ男と 待ちわびる女
シャワのノズルを開く 無数の飛沫が頬を打つ
プログラムを書き換える暇はないと 男は焦っている
指先を伸ばし 肉の合わせ目を探る
ベルがまた鳴り出さないうちにと
細心の企みを張りめぐらせる
以下次回
Forbidden Colours
The wounds on your hands never seem to heal
I thought all I needed was to believe
Here am I, a lifetime away from you
The blood of christ, or the beat of my heart
My love wears forbidden colours
My life believes
Senseless years thunder by
Millions are willing to give their lives for you
Does nothing live on?
Learning to cope with feelings aroused in me
My hands in the soil, buried inside of myself
My love wears forbidden colours
My life believes in you once again
Ill go walking in circles
While doubting the very ground beneath me
Trying to show unquestioning faith in everything
Here am i, a lifetime away from you
The blood of christ, or a change of heart
My love wears forbidden colours
My life believes
My love wears forbidden colours
My life believes in you once again




●10 パターンリコグニション再び
1
ギブスンが最初の長編『ニューロマンサー』を書いたのは35歳の時であった 最初の12年を迎えたとき ミレニアムが変わっていた 2001年の干支は巳である その時何があったかとゆうと
ちょうどギブスンは行き詰まっていて 自作の基本的なパラメータのうちのみっつを 次のようにリセットした
1) 近未来の背景を現在に置き換える
2) 多視点描写をやめ終始一人の人物の視点から語る
3) 各章におけるケイスの物語はなるべく場面の省略を含まないものにする
そこへあの事件(911)が起こったため 新たなルールを結節点に付け加え 全面的に書き換えることにした
He took a duck in the face at two hundred fifty knots.
今までアポフェニアの絶え間ないリスクを伴う<意味>を探してきたKも それに従うことにしようと思った これらの物語は全て並行して進む
2
アポフェニア(apophenia)とは 無作為あるいは無意味な情報の中から 規則性や関連性を見出す知覚作用のことである
隠された意味を探すパターン認識はいくつかある
パレイドリアとは無作為な画像または音の一種で 例えば無生物の顔認識 月の模様に人の顔や兎を見いだすようなこと
ギャンブラーの誤謬とは例えばルーレットの出目に傾向を見いだすようなこと
ある事象の発生頻度が特定の期間中に高かった場合にその後の試行におけるその事象の発生確率が低くなる(あるいは逆に ある事象の発生頻度が低かった場合に その事象の発生確率が高くなる)と信じてしまうとゆう誤謬である 観察される結果が真にランダムであり かつそれぞれの試行が独立した確率過程である場合には このような考えは誤りである つまり
1913年にモンテカルロカジノで26回連続で黒が出た 確率的には6660万回に1回のことではある 連続して負け続けた あるいは勝ち続けた者がいたかも知れないが
この確立は連続してかけ続けた者にとっての数字であり 26回目から賭けにたまたま参加した者にとっては
確立は2分の1であることに変わりは無い
3
どのようにして精神は駱駝となるか またいかにして駱駝はライオンとなるか そしてライオンはついに小児となるか
- Friedrich Wilhelm Nietzsche
駱駝とは荷を担ぐ動物である 駱駝は既成の諸価値の重圧を担い また教育の重荷を 道徳とか文化・教養の重荷を担いでいる 駱駝はそうした重荷を担いで砂漠へと向かい そしてそこでライオンに変身する ライオンは諸々の彫像を踏みにじり あらゆる既成の価値の批判を断行する そしてそのライオンの役目はついに小児となること すなわち<戯れ>と新たなる始まりになること 新しい価値および新しい価値評価の創造者となることである
しかし あるものが その反対のものから生じるだろうか? 例えば誤謬からピュシスが生まれることがあるだろうか? 欺瞞への意志から<それ>への意志が生まれることがあるだろうか? 利己心から無私のふるまいが生じることがあるだろうか? 貪欲から賢者の曇りのない純粋な眼差しが生まれることがあるだろうか?
新しいミレニアムに於いて サンディは製品の売れ行きを直観的に判断できる「クールハンター」になっていた 数え切れないデータを元にシンデレラストーリーを築いた 彼女の興味は<フッテージ> それはネット上にランダムに流れている断片的な映像で ストーリーはない 最終的なタスクはその正体を探ること
Kは再び介入するチャンスを得たのだが
以下


●11 スプークカントリー再び
109 East 42nd St. NYC グランドセントラルにあるハイヤット・トップオブファイブ・レストランの窓の外 読めない広東語の文字の外側の世界は 引き出しの奥で 何十年も忘れられていた銀貨の色だった
World Trade Center, WTC は世界中にある
Kがそのひとつの下に立っていたのは911の20年程も前のことだった グランドセントラル駅の地下にあるオイスターバーの前で待ち合わせ オフブロードウェーを冷やかし ダコタハウスの前のレストランで蟹を食ったあと グリニッジ・ヴィレッジのカフェ・ビザールに向かう ライブはいつも真夜中から始まるのだ
彼は道ばたで一冊の本を拾う
違った未来とよりよい過去を求める戦慄き
サンディ きみはぼくをそこへ置き去りにした
QRセントラル・ローマストリート駅前エンチャントトガーデンの中にレインボウシャワーとゆう噴水がある そこにその本に書かれていた広告の店があった 骨董屋もしくは古道具屋とゆうべきか 本物かも知れないダリの絵があったり 何に使うのかわからない玩具が所狭しと並んでいた
ママ 今日はこれとこれとこれを頂戴
サンディは店主に言うとそれらを袋に詰める どうも店主は知り合いのようだ 名前を聞き逃したが
ムネなんとかと?
以下

●12 ゼロヒストリー再び
Kにも三つの顔があった そもそも3とゆう数字に拘るのはもう良いのではないかととゆうくらい
イラストレイターとして プレイヤーとして ライターとして
Kの幼なじみにレイヨウとゆうシャーマンがいた ブードゥではないがゾディアックなものである Kのパターンは典型的なものだといつも面白がっていた しかし彼も今はいない 彼が言い残した言葉には 流れに逆らうな とゆうのがあったが Kは流れに逆らうのではなく 流れそのものを変えようとしていた
"In the future, everyone will be world-famous for 15 minutes." - Andy Warhol
15分後の未来 そこには電源スイッチのない点きっぱなしのテレビがある 無数のネットワークの中からモニタに映し出されるものは 単純な線でできた立方体の鉄格子のようなものが動き回る中 自分を支える梯子の位置を気にしているK自身の顔だった
以下


ここまでが一つの区切りである
Johnny Mnemonic(1981)
Burning Chrome (1982)
New Rose Hotel(1984)
Sprawl Trilogy:
Neuromancer (1984)
Count Zero (1986)
Mona Lisa Overdrive (1988)
The Difference Engine (1990)
Bridge Trilogy:
Virtual Light (1993)
Idoru (1996)
All Tomorrow's Parties (1999)
Blue Ant Trilogy:
Pattern Recognition (2003)
Spook Country (2007)
Zero History (2010)
Archangel(2016-7)
Alien 3 (2018-9)
そしてようやく時代が追いつく
Jackpot Trilogy:(未訳)
The Peripheral (2014)
Agency (2020)
Jackpot(TBD)
https://williamgibsonbooks.com/

気づいたことがまたひとつ
JQ016
目にもとまらぬすばやい影が 上空の仄かな明るみの中をすり抜けた この掌からこぼれ落ちる砂のように
サンジョルディ
ぼくのプログラムはきっと奏功する
そして いつかここへもどってきてくれれば
ぼくの手を握ってくれれば
良くなったわ と
こちらはそろそろ夏の終わりだが
ブリスベンの冬もあと少しだらう
春までゆつくりしてゐらつしゃい
夜よ ぼくの夜よ
この長い間
ぼくはそれを捜していた
水の夢を見る
砂漠の上にひとり残された
苦い目覚め
掌からこぼれ落ちる愛の砂
火の夢を見る
二つの夢は交じることはなく
炎の中に
乗馬する君はぼくの欲望
砂漠のバラ
ヴェールに包まれた秘密の約束
砂漠の花
ぼくを苦しめる甘い香り
君は振り返る
この夢の全ての論理の上で
水と火が戯れて
これ以上なにもないことに気づく
水と火の夢を見る
砂漠の上に残された
苦い目覚め
掌からこぼれ落ちる愛の砂
水と火の夢を見る
見上げる先には何もない
そしてまたぼくは目をとじる
きっと今度は虹が出ているだろうと
33; 24: 3: 6: 0, +3






