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シン・アトム今昔物語(全)

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【はじめに】

 

 鉄腕アトムの誕生日が当初の連載時に2013年4月7日であったのが なぜ2003年4月7日に変更されたかについての考察をまとめる 参考文献として「復刻版・アトム今昔物語」(MFコミックス)などをまず読んでおかれたい 

 

 作品発表後もやたら改稿する手塚は アトムにかかわる未来史の時代考証を設定していたものの ツメは曖昧であった 

 

 まだ「少年」誌で「青騎士」あたりを連載中の1966年の大晦日 TVアニメの最終回でアトムは太陽に突っ込んで最期を遂げてしまうが 視聴者からの嘆願により 後日談が描かれる それが産経新聞に翌年から3年にわたって連載された「アトム今昔物語」である 

 

 ここに 天馬博士の少年時代の隠されたエピソード「ドロッピーのトム」の話があって これが天馬の生まれ年が1966年の丙午とゆうプロフィールと矛盾してしまうため まず単行本などの収録から外された 

 

 つまりアトム今昔物語は 2017年に太陽の周りで溶けていたアトム(TV版最終回参照)を 新婚旅行中の二人のイナゴ型宇宙人夫婦が復活させ その一人奥さんの方のスカラ(旦那はオハラ つまり「風と共に去りぬ」)と共に アトムが超光速で地球に戻るときに 50年タイムワープして1967年に戻る設定になったからだ 

 

 この時点(1967年)でまだ天馬は登場しないが 御茶ノ水が青年時代で登場する なぜ1967年かとゆうと 実際にこの作品が描かれた年であり 後述の年表のようにベトナム戦争に巻き込まれる話につながるのである 

 

 その後 第4章で出会うトムという13歳くらいの少年が天馬の少年時代の話 つまり1967年ごろに天馬は少年であったとゆうことだ 同じ頃書かれた「少年」連載中の「火星から帰ってきた男」の話では 御茶の水の年齢が68歳となっていて これがアトムの誕生日から18回目のクリスマスだとゆうことと お茶の水の年齢を考えると ここでもやはり2020年の話とゆうことにして アトムの誕生年を10年遡って2003年にする必要が出てきたのだ 

 

 しかしそれでは(原作中プロフィールにあるところの)天馬がそのとき37歳であったとする1966年の丙午(ひのえうま)の生まれではなくなってしまう そこで 科学省に入官するための公務員資格試験の年齢制限(31歳未満?)から 年齢を約12歳ほど詐称したのではないかとゆう解釈が出た 

 

 これにより天馬はお茶の水と厳密に同期ではなく 三年余り連載した今昔物語後半で お茶の水が還暦を迎える頃アトムが小学5年生に編入できるかどうかを考えてみよう 
 

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【推論1】 


 アトムの誕生日が2003年確定として 

 天馬の本当の生まれ年が1966年でなく1954年の午年 ※1967年の時点で13歳 

 

 お茶の水の生まれ年が1952年頃 ※1967年の時点で15歳? 

 

 ここでまだ未確定なのは 1967年の時点で天馬は少年だが お茶の水は青年であるとゆうこと この二人が出会っているシーンはない 

 

 仮にお茶の水が1967年に15歳で既にネバ1号を作ったとしよう このときお茶の水が下宿していたスリル医院院長のスリル博士(ヒゲオヤジの父)は幾つだったのだろうか? お互いに「君」と呼び合っているのでほぼ同期だろうか? となれば スリル博士は開業医であり その年代ではない 最短で開業して25歳としても お茶の水もその年なら1942年生まれになって 還暦の時には小学校に編入するはずのアトムはまだ完成していないのだ しかし1993年に息子のヒゲオヤジと共に再登場したスリル博士はもうボケ老人である つまりお茶の水は先輩にタメ口だったとゆうだけなのか? 

 

 一方で天馬は混血児で孤児でもあり ギャング団の使い走りをしていたがアトムに救われて 一念発起 (練馬)中学に進んだのだ 高校時代の資料はないが 練馬大学から科学省に入官するまで このときのアトムとゆうロボットへの思い出を30年間抱き続けていたことは確かである 科学省長官になったのは1997年頃であろう

 トビオの死は2001年(4月以前)である ※想い描いていたアトムの製作に2年以上かかっている
 

 「ロボット法」が2003年とすれば 「ロボット人権法」は(天馬が失踪する)もう少し後のことである 
 

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【考察による修正年表】 


1952 お茶の水博史 生まれる(?)
1954 天馬午太郎 生まれる(確定 ※午年だが丙午ではない) 

1967 スカラと共に地球へ帰還した未来アトムがこの時代にタイムワープ
1967 青年:お茶の水 ヒゲオヤジの父:スリル博士と出会う
1967 ドロッピーのトムこと 少年:天馬に出会う
1967 ロボットバロー事件
1968 ベトナムへ売られ ベトナム戦争中にエネルギー切れる 

 

1993 ベトナムで発掘 日本へ送り返される
1993 ロボットチルチル事件 ※ユダペーター説あり  ヒゲオヤジ登場 1日だけアトム復活後またエネルギー切れで冬眠 

 

199? 天馬博士科学省長官に就任 

 

2001 トビオ死ぬ アトム製作開始
2003 アトム完成 未来アトム自決 ※ミーバによる入れ替わりは?
2003 ロボット法
2003 ベイリーの惨劇 

200? サーカスに売られる 

 

20?? 宇宙カビ事件
20?? ロボット人権法 天馬博士失踪
20?? アトム小学校五年に編入 お茶の水還暦
20?? スカラ 宇宙に帰る 

 

2016 アトム太陽に突入(大晦日)
2017 復活してスカラとタイムワープ→1967年へ 

 

2020 「火星から帰って来た男」 アトム18回目のクリスマス 新聞の死亡記事でお茶の水68歳と書かれている ※これよりたぶん前の時代の 「盗まれたアトムの巻」(年代不明)で68歳と答えるシーンもある 

 

2055 「アトムの最後」 

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【補足1】 


 「火星から帰ってきた男」の作品が実年1968年に書かれた時点で まだアトムの誕生日が2013年のつもりであったとすれば これは2030年の話(18回目のクリスマス)になり 死亡記事が68歳とゆうことからお茶の水の生まれは1962年になってしまう 今昔物語で過去に戻った1967年だから そこでお茶の水が5歳とゆうのはおかしい アトムの誕生日を2013年から2003年に修正したのはこのためでもある 

 アトムが小学校に入るのが人間並みに7つ学校の2010年とすると このときお茶の水が還暦なら1950年頃の生まれで まだ1967年が青年時代とならないが ビミョーなところだ
 

  逆算すると 1952年生まれの還暦なら アトムの小学校五年編入は2012年ごろになる ちなみにアトムは実年齢(人間なら7歳頃)で小学校に入ったのではなく 情動テストなどで五年生相当とゆうことになったのだ お茶の水が作ったアトムのお父さんとお母さんロボットは一年生並であった 

 

 もうひとつの大きな問題がある 

 

 今昔物語はスピンオフの話であるが 2017年に太陽で溶けたアトムが復活したとはゆえ その後1967年の過去に戻り 2003年のアトム誕生時にはアトムが二人になるタイムパラドックスを避けるため 未来アトムは自分で機械に飛び込んで消滅する とゆうことは 生まれかわったアトムも2017年以降には居ないことになるから 「火星から帰ってきた男」(2020年)の話はどうゆうことか また スカラは旦那さんが迎えに来るが彼女も故郷に帰ればパラドクスに巻き込まれるはずである 

 

 とゆうことで 次はこの解決方法を考えてみよう 

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【参考1】 


「親殺しのパラドクス」 

 つまり 

 T1とゆう現在にいるAが過去T0に戻り自分が生まれる前の親であるMを殺したバワイ 自分は生まれ無くなってしまうので そもそも過去に戻って親Mを殺すことが出来ないでわないか と ゆうもの 

 

 この解は1938年アスタウンディング誌にウィリアム・セルの書いた「次元分岐点」によれば Aが過去に戻れるとゆう前提に於いて 親Mは殺せるが その時点でその時系列は別なパラレルワールド つまり自分Aの居ない世界T2に進むとゆうことである したがって自分AはA’となり元の世界T1には戻れなくなってまうと考えればよい 


 ━T0━━━━━━T1━

  ↓


 ━Tx━━━━━━T1━
   ┃
   ┗━━━━━━T2━


 でわ その後T2の未来に進んだ(もしくは戻った)あとでまたTxに戻り 親Mを殺す自分Aをどついて 親Mを助けたバワイはどうなるか? 

 シェーマを少し訂正して整理すると 


 ━T0━━T1━ (本来の時間線)
  ↓

 ━T0━━T1━ M+A
   ┃
  Tx━━T2━ x+A’

  ↓

 ━T0━━T1━
   ┃
  Tx━━T2━ x+A’
   ┃
  T0━━T1━ M+A


ではなく 


 ━T0━━T1━
   ┃
  Tx━━T2━ x+A’
   ┃
  Ty━━T3━ M+A+A’


だが 厳密には 


 ━T0━━T1━ ?
   ┃
  Tx━━T2━ x+A’
   ┃
  Ty━━T3━ M+A+A’+A”


ではないかとゆうことだ 


 それでは AとA’などが同時に存在できるだろうか? 簡単にゆうと 親殺しなどとややこしいことを考えなくても BTF のように過去に戻って過去の自分に会えるか? とゆうことである アトムは自決してそれをのりこえるが 故郷に帰るスカラはどうなったのか? これが新たな考察課題 ケルビンタイムラインのように パラレルワールドで片付けてしまえばよいとゆうわけではないのだ 

 元の時系列での最終話「アトムの最後」(※別冊少年マガジン1970年7月号)ではロボット博物館に保存されているアトムが復活する この作品では2055年の設定になっている
 

 実は溶けたアトムを復活させる話は もうひとつあって 小学四年生1972年「アトム還る」は全く違う話だ

 

 「少年」連載の最終話は 前出の「火星から帰ってきた男」1968年作 ちなみにこれが最終話になってしまったのは 「少年」が突然廃刊になったからである 


 つまるところ 異なる時系列の話は他にもあるので 正史としてやはり 今昔物語を中心に調べてみよう もちろん「火の鳥アトム編」も考慮して・・ 


 ここでイチから原作を読み返してまた決定的な違いを発見した 

 

 ゴールデンコミクス版の今昔物語冒頭では 溶けたアトムを復活させてスカラと一緒に地球に戻ったのではなく スカラ一人が勝手に地球に来て ロケットが(地球にいた)アトムと接触した際に爆発してタイムワープしたことになっている 第4章ドロッピーの巻とともに改稿したのである 

 

 お茶の水が明確に自分の歳に言及しているのは 還暦の時と68歳の時(盗まれたアトムの巻※アトムクラブ1965.4掲載作品)である とゆうことは 火星から帰ってきた男での情報はあくまで新聞記事であり <事実ではない>とも考えられる なので 明確な逆算はアトムの小学校入学(編入)はいつなのかとゆうことだ 

 

 火星から=2020年は正しいが 新聞記事のお茶の水68歳はまちがい?
 小学校編入(?年)=還暦は正しい 

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【推論2】 


 アトムの実年齢はないに等しく(身体は成長しない) 情動成育状態とテストから五年生に編入していること なので 入学2005年だとどうか これがロボット人権法の成立後とゆうところがまだビミョーだ これだとお茶の水68歳は2013年とゆうことになり いくつかその時期の設定作品もあったはずである 

 

 そこで今度は 天馬が(1954年の)午年なら お茶の水はなに年のイメージかを考える

 1944年 申 1945年 酉 1946年 戌 

 

 当時のパトカーはワンちゃんデザインであるが お茶の水が作ったものではない 申と酉のキーワードについては 布石とするネタはある リメイク(ビギニング)では飛び級を重ねた天馬と同級で5歳年上となっている 

 

 では 1949年生まれの寅だろうか? 

 

 このバワイ お茶の水の還暦は2009年であり スカラとの出会いが18歳だから大学生でもありえる 

 

 天馬の名前は 午太郎 お茶の水の名前は 博志 である 妹が居る 妻を早くになくしている 息子もある ※子孫がタイムマシンで現代に来たことがある 

 

 この謎の解明のポイントは どうも干支にありそうだ 

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【アトム・シン・今昔物語 前章】 


「スカラや お疲れ様 地球の生活は色々大変だっただろう」
「オハラ それはもうね ホント色んな事があったわのよさ」
「それ違う漫画じゃネ? アトムとゆうロボットも立派だが」
「あたしはずーっと見てきたけど いい人も悪い人もいてね」
「それはぼくらも同じ事だ 悪い奴はどの星にも居るんだよ」
「ええ アトムはいつも立派でどんな悪人も改心させちゃう」
「地球人は はたしてロボットと仲良くやっていたのかねぇ」
「うまくいかないことも多かったわ でもみんなわかったの」
「ところで 地球に戻ったのは50年前の時代だったんだろ?」
「そうなの その時代ではまだ作られて居なかったロボット」
「でもそのうち アトムが実際に作られる時代が来たわけだ」
「二人は同時に存在できないみたいで自分で死んじゃったわ」
「そらすごい それで本来のアトムがうまく完成できたのか」
「あっ とゆうことは今帰ったらもう一人のあたしがいる?」
「それは大丈夫 ぼくらはこの宇宙船で元の時代に戻るから」
「あたしが過去に戻ったことで歴史は変わっているのかしら」
「ぼくはちゃんと次元移動機で君を捜して迎えに来れただろ」
「ふーん わりと都合の良いSFね ならそれはいいけどー」
「ぼくらの科学力では異なるタイムラインも移動できるんだ」
「じゃぁ機械に飛び込んで死んだ未来アトムはどうなったの」
「うーむ どこかの次元の間で苦労してるのかも知れないね」
「それて ひょっとして間・黒男(BJ)の駄洒落とちゃう」
「ま 探してみよけ                  」
「アッチョンブリケ                  」


【前章 しょの2】

 

「スカラ ところで君は地球での日記を書いていたんだって」
「そぉよ あたし日本の富士が台とゆうところに住んでたん」
「まずは アトムを作った天馬博士のことを教えてくんなま」
「そぉね でもそれは個人情報にかかわることなのホントは」
「個人情報ってなんなん? 地球人は変な事にこだわるのな」
「たまたま家出をしたアトムが出会うのがトム少年なんだぜ」
「それが天馬博士の少年時代であったとゆうことなのねのね」
「悪いグループから救ってあげたので感激して中学へ行くん」
「練馬中学を卒業してからは馬力に馬力を重ねたのか これ」
「その頃はまだ科学省ではロボットは作ってなかったみたい」
「1990年頃にはロボットも増えて撲滅運動ができるくらいを」
「その頃 天馬さんが国家公務員の試験を受けたのはビンゴ」
「受験資格が21歳以上31歳未満なのに 天馬さん35歳まんま」
「で自分の歳をごまかして1966年生まれゆうことにしたのか」
「それがひのうえうまとゆう年回りなんだ 面白いなしかし」
「科学省長官にまでなったのはいつかわかんないけどでした」
「トビオを亡くしたのは気の毒だがアトムががんばったでの」
「天馬さんはぬかみそ一樽食べるほどの拘りのシトかどうか」
「それはやはり時代が証明したね 君の日記も人類の参考に」
「人類って面白い生物だと思うわ 宇宙にあんまりないでつ」
「じゃぁ 天馬博士と好対照のお茶の水博士はどうなんだい」
「それは次章で そのお話は時空を越えて繋がるんですって」


【前章 しょの3】

 

「スカラ そのお茶の水博士はどんなシトだったんだろ」
「今の時代は2017年で 遡ったのは1967年でぼ」
「50年前か まぁ君達は超光速飛行したわけだからっ」
「最初出会ったのは新ちゃんて子で 次にスリル博士と」
「確かそれはお医者さんだね その医院で働いたんだと」
「働くのやだってゆったけど看護婦学校が面白そうだに」
「その医院に下宿してたのがお茶の水博士なんだったん」
「                       げ」
「  *゜つ ネバ1号→X『スリル医院』    ん」
「                       は」
「まだ博士じゃなかった 学生さんみたく見えたけどな」
「スリル博士には息子さんいたでしょ 確か俊作君とか」
「後のヒゲオヤジさんね お父さんとそっくりみたいよ」
「お茶の水よりスリルの方が年上 既に開業医だったし」
「タメ口で 君は とか言い合っていたけどそうなんだ」
「                       っ」
「  でつ生誕 19??            た」
「  出会い  1967年(青年?)      の」
「  還暦   アトム小学五年編入20??年  か」
「  68歳? 偽?死亡記事2020年(確定) ?」
「                       ?」
「お茶の水の本当の生まれ年は軽茶ハカセが検証中やど」
「トム13歳お茶の水さん25歳くらいに見えたけどぉ」
「天馬もお茶の水は30年前からR研究とゆうてんのか」
「それアトムできたときの話だから ちょっと変だわね」
「この死亡記事実は間違っているんだ その理由とは?」
「えーっ それっていったいなんなん?       」
「そりわまた次回のお楽しみちうことで   ▲   」
「そこはさすがにいつも引っ張るわねー     ▼ 」
「きっと軽茶ハカセもリバーピープルか   ゜ ゜  

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【アトム・シン・今昔物語 第1章 科学と苦しみ】 


 1993年 夏 

 ベトナムはダナンのアプサラレストラン広報担当 グエン・チャンプルさんは ダナンから離れてメコン川の川縁を散歩していた そこで川底から引き上げられたあるモノを見つけた それはエネルギーの切れたアトムであった 

 

 「をを 菩薩様!」 

 

 そこにはこれを拾ったシトは日本に届けるようにと書かれていた  彼は丁重にそれを日本大使館に送り届けたので  後に山中信吾さん(アトム今昔物語参照)から礼状と御礼を貰った
 

 御礼は「ゴーヤ」であった 

 

 そして礼状には 

 

 「これは日本の【科学と苦しみ】の産物です」と書かれていた 


【参考2】 目玉焼きの科学と苦しみ 

【参考3】 目玉焼きの科学と苦しみ その後 

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【アトム・シン・今昔物語 第2章 大地編・解】 


 手塚の未完の作品「火の鳥・大地編」は二種類が存在する 「日中戦争が舞台の物語」と「幕末から明治維新が舞台の物語」である 今日は既出の「大地編」の下記シナリオ画像の次の情報を入手した 

 

この画像にある最初の頁は 

 

・・(間久部緑郎(ロック)の)かって大学の恩(師)・・・ 

 

で終わっているが 次のページで 

その恩師とは予想通り 猿田であった 

 

> さんざめく夜会の中に、かって大学の恩 

師で今は大東亜共栄圏資源開発庁の研究センターに籍を置いている猿田博士が間久部と密談  猿田博士は中国の遥かな西域 タクラマカン砂漠の中に「さまよう湖」があり そこに火の鳥と呼ばれる伝説の鳥が実在し その鳥の血液には驚くべき未知のホルモンが含有されていてその湖周辺の動植物と 住民に強い影響-長寿 活力など-を与えつづけていることが調査で判明したと打明 皇軍の士気高揚に是非必要と云う(以下略) 


 ご存じの通り 猿田博士 いや猿田一族とは火の鳥黎明編から未来編まで累々と続く因業の家系である もちろんお茶の水博史もその一人 

 

 火の鳥『黎明編』のちょうど中盤あたり猿田彦の略歴を紹介している部分 雑誌連載当時それは次のように書かれていた 

 

 「この物語の中では、猿田彦はただの防人ではあるが、お茶の水博士の先祖ということになっている」 

 

 これが後の単行本で次のように書き変えられたのは何故だろうか? 

 

 「この物語の中では 猿田彦はただの防人ではあるが 彼の子孫は 物語全体を通じて いずれも重要な役割を持つようになるのである」 

 

【第2章 序幕】タクラマカン砂漠の一角 さまよう猿田博士 

 昭和13年(1938年)1月 


 タクラマカンとは ウイグル語の「タッキリ(死)」「マカン(無限)」の合成語と言われ「死の世界」「永遠に生命が存在し得ない場所」のことである 北に天山山脈 南に崑崙山脈と6000~7000m級の大山脈に囲まれている 「さまよえる湖」として知られるロプノールは1928年トルファンに滞在していた探検家ヘディンによる この「さまよえる湖」説というのは「1600年あるいは1500年など一定の周期で湖が渡り鳥のように南北に移動を繰り返すということ」であると解説されるが これは誤解である またロプノール西岸にある楼蘭市はシルクロードの要衝として有名だが さらにその西に前漢の時代から烏孫とゆうところがあった この烏孫の烏は 鳥ではなく烏である 

 

 ここに もう一人タクラマカンをさまよう人物が居た 

 

 ゲオルギー・グルジェフ(1866年1月13日? - 1949年10月29日) 

 

 彼こそ カルナック航法により アサハーパラツァータ空間から パンデツノクへと テタートコスモスをして ヘローパスの時の流れにより 世界の創造と維持を支える第2法則トリアマジカムノの「三脳生物」パーガトリーなのだ この三脳生物はアブルストドニスとヘルクドニスの二つによってケジャス体と魂体をつくっていた (「ベルゼバブの孫への話」)

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【補足2】 


 さて 少し視点を変えてゼロ学的解釈による考察をしてみよう
 ※ゼロ学とは 細木数子も学んだ 開祖:故御射山宇彦先生による六星占術・運命工学のこと 

 

 一般的な十干十二支や六曜また陰陽五行には重要な理論がある そのひとつは「三合の理」 


>三合の理 ( wiki 他)

 

 三合は 古代中国で生まれ 600年代に朝鮮半島を経由し我が国へ導入された陰陽五行思想のなかの方術のひとつである 十二支の特定の3つの支が合することにより 1つの強い気に変化するというもので ここから三合という名称が生まれたと考えられる 「三合」は 十二支の3つの支で構成され 生まれる「生」 活動の時期を過ごす「旺」 死ぬ「墓」 という「生旺墓」の順路をたどり 3支が手を結ぶ(合する)ことにより 1つの強い旺気となる
 

 三合には 十二支のほかに五行や方位 十干 八卦もあてられる たとえば 木気三合の場合 五行の木は卯であり 季節は春 方位は東を表すしかしこれが4つめの未(季節は夏、方位は南方) さらに4つめの亥(季節は冬、方位は北方)と季節や方位も違うもの同士が結び合うことにより 3つの支すべてが旺である木気に変化するというものである

 

 つまり 木気は広く植物一般を指し 春の木気は寅卯辰の三ヶ月でこれは短期的に見たものだが 三合で見れば亥の月(旧10月)は五穀をはじむ農作物の神が 次いで旺の正位となる卯の月(旧2月)を経て 未の月(旧6月)に終わる稲の神送り(サノボリ)となることだ

 

 萌(きざ)しがあって 旺(さか)んになって 終わる 人生の三拍子である 

 

 淮南子の天文訓では 基本は四つ 

 

 凡そ日は 甲は剛 乙は柔 丙は剛 丁は柔 以て癸に到る 

 木は亥に生じ 卯に壮に 未に死す 三辰は皆木也
 火は寅に生じ 午に壮に 戌に死す 三辰は皆火也
 金は巳に生じ 酉に壮に 丑に死す 三辰は皆金也
 水は申に生じ 子に壮に 辰に死す 三辰は皆水也


 故に五勝は一に生じ 五に壮に 九に終う 

 

 また卵の三合とゆうものもあり 十二支で卵から生まれるものとは 巳と酉ともうシトツ? 巳と酉の三合の位置からは丑となるが ゼロ学では 丑 を 亀 と観るのである

 

 あと三合の中で残っているもの それは 土気の三合 

 土は午に生じ 戌に旺んに 寅に死す 三辰は皆土也 

 

 火は寅に生じ 午に旺んに 戌に死す 三辰は皆火也 

 

とは 干支は同じだが順番が異なっている

 

 なぜか 

 

 土気とは人間のことである 火生土(火が土を産む)の理で 火は人間の母(火処=ホト)である 火が死ぬところで土気の人間は栄えるとゆうことだ 

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【推論3】 


 お茶の水の干支を再考してみると 

 天馬の名前が午太郎で 干支は午に間違いはないが丙午(ひのえうま)ではない 

 

 お茶の水は 猿田一族 であることから短絡すれば 1944年の申だろうか? とゆう事がまず考えられる 

 

 この場合 アトムの入学は2004年 スカラとの出会いは19歳 天馬との年齢差は6歳 しかしこれでは5年飛び級した天馬と同期とか スカラとの出会いは良いとして 誕生からわずか1年での入学年度はまだ少し早すぎる


 そこで前項で なぜグルジエフを出したかとゆうと 実は タクラマカンにも居ただけではなく 20世紀最大の神秘思想家ともゆわれる彼は 寅年の生まれなのである 

 

 グルジェフが1886年の寅とゆうのはこじつけとしても 天馬が1954年の午として 先の三合の理にかなうのは お茶の水は1946年の戌ではないかと考えるのが妥当だ 

 

 戌と申は犬猿の仲でもあり お茶の水は善玉だが猿田一族は本来悪役が多い 

 

 この場合 アトムの入学は2006年 スカラとの出会いは21歳 天馬との年齢差は8歳となるが これは起こりえる 

 

 ちなみに アトム今昔物語においては 

 2003年は未 ※アトム誕生
 2017年は酉 ※アトム復活→
 1967年は未 ※スカラとタイムワープ


 つまり 先の> 

 

 土(気)は午に生じ 戌に旺んに 寅に死す 三辰は皆土也 

 

を当てはめると 産んだ天馬の午と 育てたお茶の水の戌 そしてアトムが土(ロボット?)ならばうまく符合するではないか! ちなみにロボットは金属(=金気)とは限らない 土気とは前述したように人間のことだが これに似せたゴーレムとは土人形なのである 

 

 では ここにも深く関わる 火の鳥 つまり 酉の要素とはなんなのか? 


 アトムは誕生日確定として ゼロ学上の星は海王星の未である 「智恵の星」「年長者に可愛がられる」 人気(最高)相性は酉 ゼロ(最悪)相性は卯 

 

 天馬は水王星(1)または火王星(2)の午 水と火は対極
 (1)人気年生まれ ※「やりたいことは必ず実現させる」 子供がタブー
 (2)ゼロ王星 こちらの方が可能性高い ※「自分中心=自己顕示欲」「神経質」「こだわり」 アトムはゼロ(精算)相性 トビオの死は背信期になる 

 

 お茶の水は月星の戌? 人気年生まれ ※「面倒見が良い-ただし説教臭い」「自ら功を成すことや利を得ることには無頓着=天馬と反対」「庶民星」「正義感」「博愛主義」 アトムとは成長相性 など極めて符合する! 

 ※ ゼロ学 におけるゼロ王星の解釈については興味のあるシトのみ自習のこと 

 

 

 

【補足3】 


 天馬がゼロ王星とすれば水と火の両極の要素を持っていることは前に書いた アトムは海王星だが木星属として対極は金(属) そしてお茶の水が月王星なら 月とは天(空)であり 対極は地である この三者はそれぞれ違う次元(方角)だ 

 

 水と火は北と南 木と金は東と西 これに天と地が縦軸 そして地は中央に位置する 

 

 天馬とアトムの運命を回しているのは実はお茶の水(=手塚治虫※後述)なのだ! 

 

 ちなみに手塚は1928年11月3日生まれ 木星の辰 辰は戌(お茶の水?)の対極 

 

 十二支は欧米とアフリカ以外にその考えがあるが その中で唯一実在ではない動物は 辰(龍)である 


 お茶の水=猿田一族についてもう一度整理してみよう 

 

 過去からは:  黎明編の猿田彦 鳳凰編の我王 乱世編の我王 異形編の八儀 ※ヤマト編・羽衣編には登場しない 

 

 未来からは:  未来編の猿田博士 宇宙編の猿田 復活編の猿田博士 生命編の猿田 太陽編のおやじさん ※望郷編には登場しない 

 

 こうして振り子のように現在に近づいてくるわけだが 全てが善玉キャラではない事は明らかだ 鼻の業を背負った経緯は 黎明編の猿田彦と鳳凰編の我王と宇宙編の猿田に記述されている 鼻は顔の中心である 


 お茶の水の本質は何だろうか 時の翁なのか 

 

 黎明編を始めたとき 猿田彦がお茶の水の先祖・・ と手塚が書いたのは当初の思いつきであった  それが どんどんふくらんできたとゆうことだ 前述の如く 後にその部分は削除された 


 繰り返すが 猿田一族は善玉キャラではなかった 太陽編で出演している おやじさん とは お茶の水の弟 当初は本人が出演予定だったとゆう 

 

 本来的タイムトラベラーではなく 意志に反して 時の翁になってしまったのが 猿田一族でなのである 大地編ではその謎が描かれるはずだった? 猿田博士はなぜタクラマカン砂漠をさまよっていたのか? 

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【アトム・シン・今昔物語 大地編・解 しょの2】 


 私説として このキャスティングについて考えてみよう 

 ※現時点でまだ朝日新聞版は連載開始していない 


 まず火の鳥シリーズでの主要キャラクターは

 

・黎明編 240-270 イザ・ナギ *猿田彦 ヒナク グズリ ニニギ ウズメ スサノオ 天弓彦 ヒミコ 

 

・未来編 3404-? 山之辺マサト タマミ *猿田博士 ロック ロビタ モニタ少佐 

 

・ヤマト編 320-350 ヤマト・オグナ カジカ 川上タケル ソガ大王 クマソのおじい(タケル) 

 

・宇宙編 2577 牧村五朗 一宮ナナ *猿田 奇崎 城之内隊長 ラダ(火の鳥) 

 

・鳳凰編 720-752 *我王 茜丸 橘諸兄 速魚 ブチ 吉備真備 藤原仲麻呂 

 

・復活編 2482-3344 レオナ・宮津 チヒロ61298号 臓器密輸団女ボス ドク・ウィークデー ロビタ トワダ 珍 *猿田博士 

 

・羽衣編 937-941 ズク おとき 

 

・望郷編 ? ロミ ジョージ コム 牧村 ズダーバン セブ カイン チヒロ2545号 

 

・乱世編 1172-1189 弁太 おぶう 源義経 ヒノエ *我王 平清盛 明雲 源頼朝 

 

・生命編 2155-2170 青居邦彦 ジュネ *猿田 

 

・異形編 1468-1498 八儀左近介 八百比丘尼 可平 *八儀家正 

 

・太陽編 2008 & 663-672 ハリマ マリモ 板東スグル 小沼ヨドミ 大海人皇子 大友皇子 阿倍比羅夫 ルベツ *おやじさん(お茶の水の弟) 


 ほぼ全編に出演する*猿田一族は 手塚スターシステムとしてはお茶の水と考えればよい 基本的に全てが善玉ではない 

 

 その他レギュラースターからは ロック・ホーム 山之辺マサト ケン一 ハム・エッグ(珍) 東南西北他悪役スターそろい踏み(臓器密輸団) メイスン(モニタ少佐) アセチレン・ランプ(我王の部下) 丸首ブーン(俊寬・乱世編) ブク・ブック(文覚上人・乱世編) ドクターキリコ(太夫房覚明・乱世編) フーラー博士(黒潮教宣塾所長・太陽編) などが出ている なおブラックジャック(フォックス・望郷編)の客演もありこれは珍しい 


 大地編 1938-? で 既に出演が確定しているのは 間久部緑郎 山之辺マサト 猿田博士 である 

 

 これにからむキャラは誰か? なるべく今までに出ていない配役として さまよえる湖「ロプノール」とシルクロードの話になるはずなので 


 探検家 スヴェン・ヘイディン 配役:丸首ブーン 

 

 その師匠 フェルディナント・フォン・リヒトホーフェン(撃墜王で有名なのは甥) 配役:レッド公 

 

 間久部上司(松井石根?) 配役:下田 

 

 蒋介石 配役:アセチレン・ランプ 

 

 張作霖 配役:金三角 

 

 袁世凱 配役:ハム・エッグ 

 

 毛沢東 配役:ブク・ブック 

 

 愛新覚羅溥儀 配役:スカンク草井 

 

 孫文 配役:ヒゲオヤジ 

 

 鄭蘋茹 配役:十村十枝子(人間昆虫記) 

 

 グルジエフ 配役:ゴブリン男爵(三つ目が通る) 

 

 マリア 配役:ミルダ=ゼフィルス姉妹の末妹 

 

 タクラマカン砂漠でミーバ(アトム)によるタイムスリップ 

 

 楼蘭王 配役:スッドーダナ(ブッダ) 

 

 楼蘭の美女(ロプの女王) 配役:ゼフィルス(地球を呑む) 

 

 烏孫の昆弥(狂王) 配役:ゴア(マグマ大使) 

 

とゆうところでどうか 

 

 その他 写楽呆介や和登千代子などを是非起用したいが たぶん悲劇的展開になるだろうからヒロインとしては誰だろう? とゆうことで有名な女スパイ 鄭蘋茹 を追加してみた  ちなみに写楽呆介は坊主にしたアトムである 大地編でアトムをどうカメオ出演させるかは課題 

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【結論の前に】 


「ハカセっ ハカセっ ハカセっ ハカセっ ハカセっ」
「ループすなっ 天馬のことかな それともお茶の水?」
「どうもこれはムズカシー話でようわからんのれすケロ」
「どうせ読み飛ばしてるんだ ちっちきちーだ ふんっ」
「でもないですよう 意外と隠れ読者も沢山居ますカラ」
「そうかなぁ きっとみんな呆れているだけとちゃうけ」
「質問も来てます                 」
「                    なんぢゃ」
「未来アトムがオリジナルアトムと入れ替わった件レス」
「あーね ミーバの一件とスカラの一件との問題かいな」
「そうです はたしてそれは競合するのでしょうかシラ」
「えーと ミーバが呼び出したのは2013年4月7日やけど」
「それはアトム今昔物語のときに10年修正したのでスガ」
「いや 天馬の入官年齢詐称事件とゆうこともあるしな」
「でもそれ12歳ごまかしですから また違うお話しカト」
「よいでわないか いちいちコマいことをゆうでないわ」
「タイムパラドクスでは そこも重要なポイントでスヨ」
「わかた わかた そりわつまりこうゆうことナノぢゃ」
「はいはい どうせまたしょむないオチとちゃいまスン」
「アトムが機械に飛び込んだあとどうなったかちゅうと」
「オハラが次元移動機で探して助けたんちゃうんでスカ」
「ちゃうっ タイムループを治せるのはあのシトだけよ」
「あっ 異形編の中継ステーションの八百比丘尼でスネ」
「そこでアトム治してから火の鳥が2017年以降に戻した」
「そして青騎士からミーバの話へと時代は続くちゅコト」
「天馬とアトムがミーバで入れ替わるのはあのあとぢゃ」
「ンまい事考えたね しかも八儀左近介のおとんはアノ」
「猿田一族である ぐわっはっはー やっぱわしは天才」
「でわ シン・大地編と シン・アトム編はどうなルノ」
「そのシン・表記はやめぃ おまいの語尾もおかしぃゎ」

 

 

【補足4】 


                       
  1967  2003 ????  2017  ???? 2020 
 ……┏━━┓★━━━━○☆┏━━┓┏━━→ 
   ↑  ↓┃     ↓↑  ↓↑ 18  
      ┗━━━━━━━━━┛┃  ┃┃ 回  
   最  ┃┗━━━━━━┃━━┻┛ 目  
   初  ┗━八百比丘尼━┛  ミ入 の  
   の             |れ X  
   タイムスリップ ○太陽突入 バ替 マ  
             ☆復活  わ ス  
       ★アトム誕生     り    
                       

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【そして】 


 お茶の水の出演作は アトムや火の鳥の他 ブラックジャックを始め多数ある 

 

>実際のモデルは手塚の同級生で 旧制北野中学(現在は大阪府立北野高校) 東大医学部の某名誉教授 手塚が書いた4コママンガをこの名誉教授が同級生に回す役をしていた モデルは3人いるともゆわれる その一人とは手塚治虫自身である 

 

 もう50年近く前になるが 小松左京から直接聞いた話:「(火の鳥が)過去と現代を振り子にしてオチが手塚治虫のことだったとゆうならみんなでぶんなぐろうとゆってるんだ」 


 確かに お茶の水が手塚のことだとゆうなら それは最後のアトム編(現代編)で描かれるはずであった

 

 火の鳥シリーズのラストを飾るヒトコマとは 

 

 

 

 

 

 

(それは永遠に未完である) 

​手塚治虫 大先生 に捧ぐ

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