top of page

 Part I   Discipline


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戒律

 

 ちゃぷた1 無駄話

 

Talk, it's only talk.

 Arguments, agreements, advice, answers, articulate, announcements.

 It's only talk.

 

 

-「機械的に私は『遠くへ来た』という言葉を高く発した しかし私は遠くへ行っていないことをよく知っていて 私に起こったことを非常に明瞭に覚えていたが 発作の前と後ろの間には長い間隔 地球から太陽への距離が存在していた 私は私の存在意義を失った 私は私自身でなくなった」-ある離人症患者の証言より

 

 交易船メタクソプラタイ号は真夜中に信号を受けた アサハーバラツァータ空間からの交易の終了通知であった

 前回のウランバルバランの交易では風化鉱物ベラドンナが火剋金の役目を果たしたのでそれなりの成果はあったのだが カルネはまだ残っているだろうか
いや前回はパンデツノクではなかったか 何故覚えていないのだろう 倍の入札額を払わされたのが面白くなかったのか 類似物の相互誘引によってくっついた惑星的凝集体は別の場所で邂逅するはずだったのにそうではなかったからだ

 

 ちょうどそのとき船はフライバイによるカルナック航法の予定だった カルナック機関の原理は「実」なるものを「虚」なるものへ 「虚」なるものを「実」なるものへ転換する様態の転換機の原理ともゆえるものだ この航法はスキゾでなければ思いつかない奇想性を帯びている 例えばアインシュタイン ハイゼンベルクの躁鬱的宇宙像とは違うのだ

 

 

Talk, it's only talk.

 Babble, burble, banter, bicker, bicker, bicker, Brouhaha, boulderdash, ballyhoo
 It's only talk, back talk.

 

 

 カルナック航法に入ると幽体離脱の気分に襲われる 実際に物質の虚体化に伴い霊肉統一体としての生命体はカルナック現象により分離する 意識は内側から捲れる 第一に意識は羽化して時間の後方で形骸化する と同時に第二の意識が孵化する その意識もまた形骸化して後方に飛び散るとまた第三の意識がとゆうグワイである この現象には個体差があるけれど

 


Talk, talk, talk, it's only talk

 Comments, cliches, commentary, controversy, Chatter, chit-chat, chit-chat, chit-chat,  Conversation, contradiction, criticism.

 It's only talk, cheap talk.

 

 一瞬のようでもあり無限のようでもあるその非客体化された時間は事象の影であり網膜に焼き付いた残像ではない ふたたび船が還元して実体化するときは二日酔いに似た気分が残るだけであった

 

 

Talk, talk, it's only talk.

 Debates, discussions,

 These are words with a D this time

 Dialogue, duologue, diatribe, dissention, Declamation, double talk,

 double talk

 

 

 船は着いた

 

戒律

 

「」
「」
「」
「」
「」
「」
「」
「」
「」
「」

 

「」

 

 


ちゃぷた2 『コマ送り』
 

Frame by frame (Suddenly)
Death by drowning (from within)
In your own analysis.

 

 

-星空を眺めていると それがいかにも小さく感じる それは私が大きくなりつつあるのか でなければ宇宙が収縮しているのである さもなければその両者が同時に起こっているのだ- ダリ 異説・近代芸術論

 

 

 その日 火曜日の火星の正午(午の刻) 催されたパーリにはドレスコードがあった 受付嬢は白黒半分に塗り分けられたペルソナとフーディーを被っていた ぼくが用意していたのはペンコードのピヤスだけであったので その代わりに羽のついたマクロモレキュル・フィルムスリットの衣装を強要され ぼくは押し出されるように まばゆい会場に放り込まれた

 

 入ってすぐ 中に水のいっぱい詰まったタクシーが置かれていた その隣には潜水服があり ご丁寧なことにコイン投入口まであった フツーの自我を被子植物に例えるならば

 

 

  ここではきものをぬぎなさい

 

とゆうことだ

 

 ぎらぎらと全反射する中央の池面は水銀だろうか 遠景の非現実的な▲▲▲の山脈はポルトリガトの風景写真か メタ三次元的パースの小細工はぼくが開発したものだとゆうのに

 

 などと逡巡していると あのピンと跳ね上がったシンメトリックな髭の男が話しかけてきた 彼は火星イエガマイスターの青汁に酔っていた
「今日の報償は私の娘への求婚切符ですぞ

 

 

 彼は中程のテェブルで食欲に埋没している 食事といっても異様なものばかりが並んでいた 例えばぐにゃりと曲がった懐中時計 燃える麒麟 アンモナイトなど それらを片っ端から食べているのである
 「どうだ君もひとつやらんかね」
 とゆう彼のお腹はすでにあのY字型の支え棒が必要になっていた

 

 そうこうしていると会場のあちこちで叫び声が上がりはじめた 会場自体がぐにゃりと溶け始めているではないか 彼の飽食的恍惚状態の主観的妄想は 客体側に浸透しそれらを全て可食化しつつあった 彼の狂気はものにまで感染したのだ

 

 一方で彼の娘はそんな父への反駁からの拒食症であり 空間の垣根への異物の侵入にも羞恥反応を起こすのだった 生活史的に規定された隔離傾向は空間性の異常を通して食欲喪失に到っている さらには彼女を抱こうとして近寄ってくる花婿候補を全て拒絶していた

 

 

  そうか それならまだ手はある

 

 

Step by step (Suddenly)
Doubt by numbers (from within)
In your own analysis.

 

戒律

 

「            
             
             
             
             
             
             」

 

 

 

ちゃぷた3 無秩序

 

I do remember one thing.
It took hours and hours but..
by the time I was done with it,
I was so involved, I didn't know what to think.
I carried it around with me for days and days..
playing little games
like not looking at it for a whole day
and then.. looking at it.
to see if I still liked it.

 

I did.

 

I repeat myself when under stress.
I repeat myself when under stress.
I repeat myself when under stress.
I repeat myself when under stress.
I repeat..

 

The more I look at it,
the more I like it.
I do think it's good.
The fact is..

 

no matter how closely I study it,
no matter how I take it apart,
no matter how I break it down,

 

It remains consistant.
I wish you were here to see it.

 

I like it.

 

 

-知能とは思考手段を目的に適うように用いながら 新しい要求に応じようとする一般能力であり 生活の新しい課題と条件に対する一般的な精神的順応能力に他ならない-シュルテン


 
 最初にその奇怪なヒエログリフの存在を教えてくれたのはマズカナタだった 彼女はプシである いやプシであったともゆえれば これからプシになるのだともゆえる
 ぼくの専門はポリエチレンテレフタレートをポジトロンエミッショントモグラフィでパーソナルエレクトリックトランスアクタに応用するロゴシステムの開発と広報である しかし会社のブレーンは限られており 社長は今度ぼくを副社長に昇格させた ぼくはエグゼキューチブヂレクタならと固辞したのだが 隣国の投資家達が仕事を急がせているのだそうだ

 仕方がないのでロゴを下請けに出すことにした とゆうよりはその方が鯵な出来になることは明らかだったからだ アイデヤはクライヤントの気儘で弄んだがようやく陽の目は見た

 

 そのロゴは

 

 その楔形文字は 精神病棟神殿の赤壁に刻まれていて夕映えを受けるとかすかに判読できた 意味はわからない わからないというのは言い訳に過ぎないのだが 言い訳とゆうものは他人に対してする言い訳と自分に対してする言い訳との2つがある 後者のばわいはややきまりが悪い それは後ろめたさとか照れ隠しとか恥ずかしさとかがないまぜになっている これが難しいのだ どう言い訳すれば自分は楽になるのか

 

 現実原理の働きが衰退すれば快楽原理がありのままに行動する 有機体にとってこれはその生存を危険にさらすこともある だからこそ快楽衝動を制御するために現実原理が働く しかしその抑圧をはねのけるだけの

 

  一致があるのかと

 

しかし無秩序はエントロピーの増大である 非周期性結晶なのだ

 

 

 

戒律

 

「           ¬
             
             
             
             
             
             」

 

 

 

ちゃぷた4 迷路

 

 

Thela hun ginjeet thela hun ginjeet
Qua tari mei thela hun ginjeet
Qua tari mei heat in the jungle street

 
Thela hun ginjeet は heat in the jungle のアナグラム
heat はポリスまたは火器のスラングである
Qua tari mei はサンスクリットで quarterly のこと
これを唱えるとラスタマンが靡くとゆわれる

 

エイドリアンブリュの体験談から書かれた

 

 もし近年レース暴動が起こり警察官が殺された所であなたがみすぼらしい下腹部を検出するわき道勢力の下であなたが敢行したならば最初の一見の時の倫敦の放置丘ゲートエリアは時折の店を持つ最も居住用の地域または小さな小屋の混んでいる列の間のパブのようにそれを「家」と英国人は呼んだ
 


-いま ここを選んで仕事場とする幸福 性を解放する夏の風 海で遊ぶ時間 露わな腕 農作地を走る気楽なドライブ すべては初めて訪れたものの喜び-オーデン


 
カミュに依れば

 

 「不条理(absurde)」という感情は単にあるものの感覚や印象の検討から生じるものではなく、馬鹿げた計画と明白な現実との比較、理に合わない結果と当然予想される結果との比較というように、「事実としてのある状態と、ある種の現実との比較から、ある行動とそれを超える世界との比較から噴出してくる」ものであり、したがってそれは人間のなかにあるものでも世界にあるものでもなく「両者の共存のなかにあるもの」「両者を結ぶ唯一のきずな」である


Credo quia absurdum


セントヴェノマの落下の付則に依れば

 

 世界中のあらゆるものは底に向かって落下する 底とは宇宙のいかなる部分であれ 最短距離に位置する「安定」のことで この安定とゆうのは あらゆる方向からの地からの線が収斂する場所 もしくは点である
 
 ヒゲムシはシボグリヌム科に属する環形動物多毛類で以前は有鬚動物門でもあった

 自由生活でありながら消化管も排泄器官もなく 呼吸の方法も不明で 発見当時は何かの標本の一部と考えられていた

 ヒゲムシは海底に場所を定めると身体の周りに管を分泌し その自家製の牢獄から一生外には出ない その内部を上がったり降りたりするだけである

 ヒゲムシの自伝

 

のぼれ どんどん のぼれ てっぺんだ
くだれ どんどん くだれ ドスン 底だ

戒律

 

┏           ┓
      □      
  \_______/  
   |      |   
  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\  
      ■      
┗           ┛

 

 

ちゃぷた5 庇護する空

 

(instrumental)

 

-月の光は 深い渦巻きの底のまた底までもとどいているようだった だのに わしにははっきりと見えるものは何ひとつなかったよ 濃い霧が全てを包み込んでおり あらゆるものの上に 素適な虹がかかっておった 回教徒の「時」と「永劫」をつなぐ たったひとつの路筋というか あのたより気のない細い橋みたいだった- ポー『大渦にのまれて』
 
 ぼくはまた失敗した

 

 入社式はエイプリルフールだったのだ

 

 早速会社を辞めるにあたって 一身上の都合で だけではすまなくて理由を説明する羽目になってしまった

「実はジャイカに応募したらすぐに行けとゆわれて」「どこへ行くんだ」「ジャマイカ じゃなくってですね モロッコです」「まさか性転換でもしに行くんじゃないだろうな」「それもおもしろそうです」

もちろん自分に対しての理由付けは単なる言い訳ではすまない ウソはつけないでしょ しかしそこはシトツ自分をだまくらかさねばならないのだ テキトーに
 
 モロッコ王国はカミュの故郷アルジェリア民主人民共和国のとなりにある ぼくが赴こうとしていたタンジールはジブラルタル海峡に面した小さな街 そこは無国籍な「ザナドゥ」になりつつあった

 

 地中海は要約された海だ

 

 この世と隔絶されたようなトポス ニューヨーク生まれのボウルズは何故ここまで来てそれを書いたのか さらにそれを読んだバロウズが加わり ティモシーリアリーまでもが参加する


 Hotel La Maison Blanche は Kasbah Museum の隣にあるわりと優雅なホテルだった だった? まだ行ったことはないのだぞ

 

 Sheltering Sky

 

 しかし映画では第3部の 空 がごっそり抜け落ちている これではボウルズもバロウズも怒るのは無理もない


 なぜか

 

 

 マルコフはバラードに殺された
 

>マルコフ連鎖とは、確率過程の一種であるマルコフ過程のうち、とりうる状態が離散的(有限または可算)なもの(離散状態マルコフ過程)をいう。また特に、時間が離散的なものを指すことが多い(他に連続時間マルコフ過程というものもあり、これは時刻が連続である)。マルコフ連鎖は、未来の挙動が現在の値だけで決定され、過去の挙動と無関係である(マルコフ性)。各時刻において起こる状態変化(遷移または推移)に関して、マルコフ連鎖は遷移確率が過去の状態によらず、現在の状態のみによる系列である。
 
 ところでやね チミ
 カットバックやフォールドインをやるにしても
 それだけではなにかわからないのだよこれとか

 

Then, from sea to shining sea, the God-King sang the praises of teflon, and with his face to the sunshine, he churned lots of butter.

 

 ソリオーネンシウスの宇宙法則にディムツォネーロの本質言語を吐きテレオギノーラの永遠の理性を全うする

 

 

 正しいか

 

 

bottom of page